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smartround(スマートラウンド)を実際に使ってみてレビュー!次世代のスタートアップ向け資金調達プラットフォーム

smartround(スマートラウンド)

2019年7月1日に正式サービスローンチしたスタートアップ向け資金調達プラットフォーム「smartround(スマートラウンド)」ですが、まだ使ったことが無いスタートアップ/投資家の人も多いのではないでしょうか。

登録して使うのはちょっと面倒だけど、どんなサービスなのか気になるという人向けに、実際のUIやおすすめポイント、残念な箇所などを第三者視点でご紹介していきます。

 

※尚、本記事は2020年3月9日時点の情報をベースに執筆しており、最新版と機能や情報が異なる可能性がありますので、ご了承ください。お気づきの点があれば、お問い合わせからご連絡いただけますと幸いです。

smartround(スマートラウンド)とは

smartround(スマートラウンド)

 

smartround(スマートラウンド)は株式会社スマートラウンドが開発、運営を行うファイナンス・マネジメント・プラットフォームです。

スタートアップの起業家においてはファイナンスに詳しくない人も多いため、資金調達で悩んで時間を浪費してしまったり、基本的な知識不足で資金調達を失敗しないように支援するツールになっています。

 

smartround(スマートラウンド)の利用者

smartround(スマートラウンド)は主な利用層として

  1. スタートアップ起業家
  2. 投資家(ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家、等)
  3. アドバイザー(税理士、弁護士、その他サービス提供会社等)

をターゲットとしています。

この記事では❶のスタートアップ起業家目線でのレビューを中心にしていきます。

 

smartround(スマートラウンド)でできること

細かい機能は諸々ありますが、smartround(スマートラウンド)で実現できることは大きく以下の3つがあります。

 

スマートラウンドでできること
  1. 資金調達計画の作成
  2. 投資家への効率的な情報共有
  3. 既存株主とのコミュニケーションの円滑化

 

資金調達計画の作成

スマートラウンドの主要な機能が資金調達計画の作成です。

財務情報を入力してランウェイ(資金が尽きるまでの期間)を可視化したり、わかりやすいガイドに沿って資本政策をツール上で作成したりすることができます。

 

投資家への効率的な情報共有

上記で説明したような財務情報であったり、企業の基礎情報やその他事業計画資料などを、一カ所にまとめて効率的に外部の投資家に共有することができます。

 

既存株主とのコミュニケーションの円滑化

経営情報や役員会議の議事録など最新のデータをアップロードしておくことで、既存株主に対する情報開示をスマートラウンドのプラットフォーム上で行うことができます。

 

smartround(スマートラウンド)を使ってみる

新規アカウント登録

まずはメールアドレスとパスワードを設定してアカウント登録を行います。スマホでも簡単に入力できます。

登録したメールアドレス宛に本登録メールが届くので、それをクリックして基本情報の入力に進みましょう。

 

基本情報の入力

メール内の本登録用URLをクリックすると、基本情報の入力に進みます。

アカウント種別をスタートアップ、投資家、アドバイザーの中から選択しますが、これは後から変更ができないので間違えないように選びましょう。

 

登録情報は全3ページで、

  1. 会社情報
  2. 事業内容・提供サービスとメンバー
  3. 情報発信PR

を入れていく形になっています。

smartround(スマートラウンド) の会社情報入力画面

 

一部メンバーの写真やSNSのURLなどが必要になりますが、フォームに沿って入力していくだけなので非常に簡単です。

 

参考までに、以下が基本項目を入力した画面のイメージです。

smartround(スマートラウンド) 会社情報ページのサンプル

 

会社名を入れるだけで関連ニュースフィードを自動で取得してくれるので、直近のプレスリリースやメディア掲載情報も載った企業ページを簡単に作ることができます。

smartround(スマートラウンド) 会社情報のニュースフィード

 

経営情報の入力

次に経営情報の入力に進みます。ここでは財務情報を中心とした、定量面のデータを登録していきます。

ちなみにスマートラウンドには公開範囲の指定機能があり、経営情報はデフォルトで非公開になっているようです。既存の投資家や社内メンバーなどを指定して、後から閲覧権限を設定できるので、まずは非公開の状態で入力していきましょう。

smartround(スマートラウンド) 経営状況の画面

 

経営情報はクラウド会計ソフトのfreeeと連携することでも入力できるようです。

freeeと連携しない場合は、ウェブ上で数字を直接入力していきます。

 

資本政策の入力

経営情報の入力が完了したら、次に資本政策を入力していきましょう。(実際はどの項目から入力を始めても問題ありません)

資本政策はラウンドごとに「試算」と「確定済み」を選択できるようになっているので、設立前であっても、既に資金調達を実施していても、状況に応じてわかりやすく区分して使うことができます。

smartround(スマートラウンド) 資本政策作成画面

 

「残余財産優先分配権」の有無や「希薄化防止条項」の種類を選べる項目もあり、現在のスタートアップのエクイティ調達の実態に則した入力が可能になっています。

 

また、専門用語の横には(?)マークが付いており、マウスのカーソルを合わせると用語の説明が出てくるのもかなり親切な設計ですね。

これなら初めて資本政策を作る起業家でも簡単に入力できそうです。

smartround(スマートラウンド) 用語説明画面

 

ライブラリへの資料アップロード

最後に、ライブラリには取締役会の議事録や株主間契約書など、様々な経営関連の資料をアップロードすることができます。

ここで一元管理すれば重要な資料が見当たらないということもなく、必要に応じて投資家や外部のアドバイザーに閲覧権限を付与できるので便利そうです。

smartround(スマートラウンド) 資料ライブラリ画面

 

また、このフォルダも経営情報や資本政策と同様、初期のデフォルト設定ではしっかり外部非公開になっているようです。

 

つながりリクエストや、ページURLを共有して実際に利用を開始

ここまでで基本的な設定は完了です。あとは管理画面からつながりリクエストを送ったり、企業ページのURLを投資家に送るなどして実際に利用していきます。

投資家から見たプレビュー画面も閲覧できるので、キャッチコピーとタグで自社が目立つようになっているかしっかりチェックしておきましょう。

smartround(スマートラウンド) 投資家ビューのサンプル

 

smartround(スマートラウンド)のここがおすすめ

初めての人にも親切なUI設計

ファイナンスに詳しくない起業家でも簡単に使えるというコンセプトの通り、初めての人でも使いやすい親切なUIが大きな特徴だと感じました。

例えばメニューバーの項目にはすべて(?)マークが付いており、マウスオーバーすればそれぞれの説明が出てくるようになっています。

特に、起業家以外は中々触れることがないであろう資本政策については、各用語に説明が付いており、初めて資本政策を組む起業家は学びながら入力していけるのではないかと思います。

 

実践的な資金調達マニュアルが充実している

メイン機能の他に「資金調達マニュアル」というセクションがあり、ここでは学習・準備・実行の3フェーズに分けて、資金調達に必要な21ステップを学ぶことができます。

コンテンツは株式会社スマートラウンド CEOの砂川氏が執筆しており、項目によってはVCや会計士などの専門家が監修しており、実践的な内容になっています。

 

freeeと連携すれば財務情報が簡単に取り込める

経営情報の財務数値の入力は面倒ですが、freeeと連携すれば簡単に取り込めるのは嬉しいポイントです。

新規投資家であればDD(デューデリジェンス)の際にExcelにまとめて提出する形でも問題ないと思いますが、既存株主に対して定期的に財務情報を開示しているスタートアップであれば、この機能を上手く使えばコミュニケーションコストを抑えられるのではないかと感じました。

 

smartround(スマートラウンド)の惜しいところ

スタートアップ側から投資家へのアプローチはできない

smartround(スマートラウンド)には会社の基礎情報や財務情報、資本政策などを登録できますが、現状このプラットフォーム上で投資家候補を探すことはできません

 

利用ガイドには以下のような記載がありました。

Q. 投資家とつながりがないと資金調達は始められませんか

A. はい、資金調達ラウンドのデータルームにはつながりのある投資家しか招待できません。お知り合いの投資家の方につながり申請するか、smartround上で積極的に会社をPRし投資家から「いいね」してもらってつながり申請してください。

出典:smartround ご利用ガイド [スタートアップ] FAQ

 

将来的にはスタートアップ側からアプローチする機能も出る可能性は有ると思いますが、現状は資本政策を立てたり、投資家候補や既存株主に対して効率的に情報共有するためのツールと割り切るのが良さそうです。

 

マネーフォワード クラウドは未連携

経営情報はマネーフォワードと連携すれば自動で数字が取り込まれますが、残念ながらマネーフォワードクラウドとはまだ連携していないようです。

日本国内のスタートアップであればfreeeに次いで利用者が多いと思われるので、マネーフォワードクラウドとも連携できるようになると、便利に使えるスタートアップが増えるのではないでしょうか。

 

経営情報を手動で入力する場合は手間がかかる

スプレッドシートのようにコピペのショートカットが使えず、1セルずつ手動で入力していく必要があるので、特に設立後の期間が長い場合は結構な手間がかかります。

このあたりは上でも書いた通り連携可能なツールが増えたり、CSV形式でのアップロードが可能になったりすると、更に便利になりそうだと感じました。

 

さいごに

以上、ファイナンス・マネジメント・プラットフォーム「smartround(スマートラウンド)」を実際に使ってみたレビューでした。

本文中にも書いた通り、初めての人にも親切なUIなので、これから起業するにあたって資本政策を組みたい起業家や、初めての資金調達に向けて準備をしたいスタートアップ経営者はぜひ使ってみると良いと思います。

※外部サイト:smartround(スマートラウンド)

 

新規投資家候補に情報共有する際に使えるのは勿論ですが、freeeと連携した財務データが綺麗なUIのダッシュボードで見れる点など、既存の投資家とのコミュニケーションも取りやすくなるのではないかと感じました。

まだまだ全ての起業家と投資家が使っている状態ではありませんが、今後の更なるアップデートに期待したいですね。

 

smartround(スマートラウンド)では資本政策や資金調達の準備が可能ですが、投資家向けの事業計画プレゼン資料は自分で作る必要があります。

KUROKOではベンチャー向けの事業計画説明資料やピッチ資料の制作を行っていますので、興味がある方はお問い合わせからお気軽にご相談ください。

 

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