上場企業や投資法人の資料を見ていると、「インベストメントハイライト」という言葉が出てくることがあります。
IR関連の資料であってもそんなに頻繁に入っている項目ではありませんが、もし資金調達やIPOに向けた資料作成をしているのであれば知っておいた方が良い項目です。
ということで、この記事では、「インベストメントハイライト」の意味と、その使い方についてご紹介していきます。
目次
「インベストメントハイライト」の意味
「インベストメントハイライト」の意味は英語を和訳したそのままなのですが、「投資における要点」となります。
英語で書くと「Investment Highlights」なので、
- Investment = 投資
- Highlights = 要点
と、そのままですね。
また、日本の企業においては「インベストメントハイライト」という言葉を使うケースは実はあまり多くないのですが、代わりに「カンパニーハイライト」という表現で同様の内容を示しているケースが見られます。
「インベストメントハイライト」が使われるケース
資金調達を行う企業や投資法人などが、自分達に投資すべき理由をまとめたものをインベストメントハイライトと呼ぶのが一般的です。
日本においてはあまり一般的に使われているわけではありませんが、以下のような資料やウェブサイトで見ることができます。
- M&Aにおけるティーザー/シナジー説明資料
- 新規上場(IPO)企業の成長可能背に関する説明資料
- 上場企業のロードショー(投資家への説明)資料
- 投資法人の特徴説明
多くの場合、USP(独自の魅力)を3~5点ほどにまとめて、プレゼンテーションの冒頭か終盤に記載します。
「インベストメントハイライト」に入れる要素
インベストメントハイライトは要するに投資すべき理由なので、各社異なる要素が入って問題ありません。
実際によく使われる項目で言うと、以下のような項目が挙げられます。
- マーケットリーダーシップ(≒市場の中でのポジション)
- 独自の技術
- 模倣困難なビジネスモデル
- 対峙する市場の大きさ
- 高い事業成長率
- 強力なアライアンスやスポンサーシップ
- 高い投資リターンへの期待
- M&Aにおけるティーザー/シナジー説明資料
インベストメントハイライトの実例:上場企業の場合
東証マザーズに新規上場するような成長企業であれば、事業のユニーク性、高い事業成長率、今後も十分な拡大余地があるマーケットの大きさ、などをアピールすることが多いです。
2018年6月に上場したメルカリは「カンパニーハイライト」というセクションで、以下の5点にまとめて上手く表現しています。
- 急成長するモバイルCtoCパイオニア
- 高いエンゲージメントにより継続的に拡大するプラットフォーム
- 広範な市場機会の開拓によるメルカリの更なる成長
- エコシステムとグローバル展開が実現する更なる成長ポテンシャル
- 魅力的な財務モデル
このあと2019年12月に上場したfreeeも同様の形式で5点にまとめていますね。
ちなみにどちらも大和証券が主幹事を務めたIPOでした。
他には、2019年4月にマザーズに上場したハウテレビジョンは、インベストメントハイライトとして以下のように自社の特徴を3点にまとめています。
・独自性(難関大生 約8割)
ハイクラス学生とハイクラス企業のマッチングを質・量共に最大化するエクスクルーシブな就活サービス「外資就活ドットコム」が持続的に成長・成長性(売上高1.7倍、経常利益6.5倍)
外資就活ドットコムのユーザーを含む若手プロフェッショナルが社会人キャリアを通じてアクティブに活用するサービス「Liiga」が投資回収局面入りし収益が加速度的にオン・拡張性(多角的な収益モデルへ)
人生100年時代に通用するキャリアアップを支援する新サービスを継続的に投入し収益拡大
こちらは既出の2社と比較すると小さい時価総額での小型上場でしたが、公募価格の3倍を上回る初値が付く人気IPOとなりました。
インベストメントハイライトの実例:投資法人の場合
投資法人であれば、投資の実行力も重要ですが、キャッシュフローや分配と言った投資リターンに関連する財務情報に力点が置かれることが多いでしょう。
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法⼈のウェブサイトなどが参考になります。
※外部リンク: https://www.canadiansolarinfra.com/ja/feature/highlights.html
さいごに
インベストメントハイライトはIR資料などでもあまり頻繁に目にする言葉ではありませんが、日々大量の情報を処理している投資家にわかりやすく自社への投資意義を伝える一つの手段になります。
IPO準備企業や、投資家からの資金調達を計画しているベンチャーの経営者の方は、ぜひ意識して他社の資料なども見てみてください。
また、KUROKOでは上場企業のIR資料だけではなく、マザーズIPO時の成長可能性に関する説明資料や、ベンチャー企業の投資家向け事業計画説明資料の制作サポートを行っています。
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